デザイナーなんて服で語れ。
僕はペラペラ話すデザイナーがあんまり好きではない。
そんな僕が今回どういう感覚でデザインしたのかを書きたくなりました。
単純に自分の表現を話したくて話したくて我慢出来なくなったんだと思います。
自分の表現に自信がある人ってこういう感覚なんだろうなーとパソコンに向かいながら感じています。
まずテーマに縛られるのが嫌いな僕は服が出来上がってから決めます。
そう言う意味ではテーマというかタイトルって感じです。
益田翔太って人間が感じた事をアウトプットしているのだから、言葉で最初から縛る必要ないというのが僕の考え。
最終的に出来上がった服達を見て今シーズンに名前を付ける感じ。
今回のタイトルは、Journey Beyond Spacetime
元々は、16AWを製作している最中から17SSは着物の生地を使って日本らしさを表現しようと考えていました。
今年に入って博多織を使い洋服を作らせて頂く事になり、博多織が日本の良さというものを改めて僕に教えてくれました。
海外に対して負い目を感じていた僕が、日本人デザイナーとして洋服を造る事に対して自信が芽生えた瞬間でもありました。
そこから着物生地をデッドストックで探し始めました。
何故デッドストックの物を探したのか。
新品の着物生地は高いので、商品価格がかなり高くなってしまうというのが1番の理由です。
洋服って着る人がいてこそだと僕は思っています。
買える値段設定をするのもデザイナーとしてやるべき事。
いくらでも良いのであれば誰だって良いものは造れます。
たまに資金がなかったから今回は良い物が造れなかったというのを聞きますが、そんなのは本当のデザイナーではないと僕は思うのです。
着物の素材って物凄く良い物なので寝かせておいて何にも使われないなんて本当にもったいないし、
良い素材にデザイナーとして新しい命を吹き込みたいと思ったんです。
着物の生地というのは、洋服の生地とは違い幅が物凄く狭い。
通常洋服の生地は130cm〜150cm前後の幅があるのに対して着物の生地は30cm〜40cm。
その幅の中でどう表現するか
長さも12m前後
完全に1点ものならまだしも何着か造る事を考えてデザインするのは中々難しいものでしたが、その枠の中で今回はまずまずの表現が出来たのではと思っています。
着物シリーズは、より限定なアイテムで数に限りがありますのでシリアルナンバーを入れて生産させて頂きます。
そして今シーズンから全てのアイテムにハンガー、ガーメントケース、ギャランティーカードが付属致しますのでお楽しみに。
バックパックなどの近未来的なデザインについての考えについてはまた後日書きます。
Syota Masuda